自費出版

●初めに

 自分で書いた文章をひとつの本にしたいと思っている方は多いはずです。自費出版をビジネスにしている会社は多いですがどの会社もそれなりの金額になってしまいます。最近では(共○出版や協○出版)などというあまりよく分からない方法で出版をお誘いする自費出版会社も多いと聞きます。200万円とか300万円と言う金額を聞くとやはりそれは違うと思えてなりません。それで自分で文章を書いて、本の体裁に合わせてレイアウトをし、写真やイラスト、地図などを自分で書いてスキャンすれば完全な印刷原稿ができるはずです。そして印刷と製本のみを印刷会社に依頼すれば随分安く自分の思う通りの本が作る事ができます。今後は自分で著作、編集、レイアウトをして、印刷会社に印刷して頂き、本の販売で食べて行こうとする個人が出始めることでしょう! 

●なぜ本として残す必要があるのか?

 ヨーロッパでは先祖代々にその時代に起こった出来事などを、その時代に生きた印と後生に伝える為に本として自分の生きた時代を残す風習があります。その家系を記録する専門の出版社が数多く存在して革の表紙の立派な本を印刷製本して後生に残すという仕事が立派に存在しています。人間の記憶はどんどん忘れていってしまいます。例えば旅の記録でもその旅が終わりしばらくは良く覚えていても何年か過ぎるとかすか記憶の奥に楽しかった事だけが断片的に思い出される程度です。自分が年老いた時にもう一度読み直して思い出すために自分の為の本作りから自分の生きた時代の出来事や家の家訓など、自分の知り得る祖先の事などの記憶を本にして残し後生へその教訓を伝えるという立派な役目を果たす本まで様々です。

●自分で作った本は売れるのか?

 自分でたび市場などに依頼して印刷した本を一般的に書店に売る事はできるのだろうか?と疑問に思う方が多いと思います。確かにそのままでは書籍コードも付いていませんので流通はしません。しかしその本を改めて印刷し直さなくても書籍コードを改めて取りシールで書籍コードを張り付けることで流通にのせることは物理的にはできます。但し最低でも300部とか500部程度の委託は必要ですし、本としての体裁がしっかりしていなければなりません。最近ではアマゾンなどのインターネットの書店などが個人からの本の委託も受け始めていますし、将来は紙の印刷だけではなく「キンドル」「アイポット」などの電子書籍の時代になった場合にはインターネット書店を著者個人が契約をして本の販売を「紙」と「デジタル」と両方で販売する時代も近いうちに来ると思います。そんな時代にはやはり一番強いのは自ら本を書く著者が一番強いと私は思います。おもしろい現象としてコミックの世界では既に個人のマンガ作家が自分でマンガを書いてレイアウトをして印刷会社に印刷製本を自ら頼み、コミックのイベントや専門書店に直接持ち込んで販売する新しい形のビジネスが成り立っています。著者によっては初めからメジャーな出版社は相手にしないで自分ひとりで著者、出版社、販売会社をやって売り上げを上げて十分利益を上げている著者や作家がいっぱい出てきている状況です。まさにひとり出版社時代の到来です。

●ワードでも大丈夫か

 普段使っているソフトは文章を入力する場合圧倒的にワードなどのビジネスソフトが多いと思います。なにも特別なソフトを用意する必要はありません。ワードを使って作り初めてみましょう!その時の注意点はいくつかありますので紹介します。

●本の大きさと文章の大きさなどを決める

 最初にページの大きさを決める。この大きさは当然本の大きさも決定する事になりますので本のサイズも決めましょう! 紙のサイズからしてB版かA版かという事です。 手頃なサイズとしてはB6サイズ丁度B5版の半分サイズです。他にA5版これはA4の半分サイズです。手元にコピー用紙などがあれば大きさを確認して下さい。ワードの初期設定でページのサイズの指定の時にそれぞれのサイズを指定して下さい。

●マスターページの作成

 基本になるページを1ページ作成しましょう!B6版なりA5版なりの中に本文を入れます。適当に(あ)でもいいですので文章を入力します。1ページの中に何文字分を1行とし、何行入れると見やすいか読みやすいかを様子みながら字詰めと行数を決めます。場合によっては段組も必要かもしれません。そして、その時に大切なのがノンブルです。出版業界の言葉ですがページ数です。必ずノンブルは入れて下さい。印刷する場合にページがちゃんと順番になっているかは文章の内容ではなくこのノンブルが順番になっているかどうかを確認の手段にしていますので非常に大切です。その時ページの下の真ん中とか左ページは左の端とかという事になります。

●ワードのページ挿入機能は使えるか?

 本全体としてはいくつかの章に別れます。従って1〜自動的にページを振ってくれる機能は有り難いですが、新しい章が来るたびに1ページから始まってしまいます。それでは本全体に通してノンブルを振ることが出来ません。章ごとに1〜始まってしまいます。従ってこの機能は使わずに、マニュアルで文章を同じく指定の場所に入力する必要があります。面倒な作業ですが重要な作業ですので初めのマスターを作るときにきちんとやっておきましょう!

●周りの白枠はどの程度必要か?

 白枠は最低でも10ミリは必要です。特に良くノンブルをぎりぎりに配置する方がいますがこれは断裁されてしまう可能性が高いですので文章同様、ノンブルや本のタイトルを誌面に入れた場合は最低10ミリを守って下さい。

●全体の構成を決め目次を作る

 本全体の構成を決め目次を決める。各項目は何ページで構成させるかも決めて全体のページ数も決めてページ割りを作る。これから文章を書く方はこの構成に従って書き始めれば良いわけですが、既に文章が出来ている場合は各章に分けてタイトルを付けます。

●表紙などはどうするか?

本文をくるむ形で厚紙で表紙が必要になります。一般的には上質紙の135キロベースの紙などに片面に1色刷りが一番安く一般的です。もちろんいろんな紙がありますのでその中から選んで1色じゃなく多色刷りでもかまいません。ご自分で作る原稿は最終的に印刷原稿にはならず印刷会社の方で作るケースがほとんどです。なぜなら本文をくるむ形になるため束(本の厚さ)が紙の種類やページ数によってどの程度の厚さになるかは印刷会社でないとわかりませんのでココの段階でたび市場の印刷担当と相談しましょう!当然裏表紙も同じくるむ紙になりますので裏表紙などのイメージなどがたび市場の担当にわかる様に準備しましょう!

●カバーを付けるか付けないか!

本文と表紙が決定したら今度はカバーです。一般に書店等で販売している本はカバーが付いています。カバーの役目は書店に並んでも売れない場合返品されます。その返品の本を綺麗に研磨してカバーを新しいものと取り替えれば新品とほとんど遜色ありません。それでまた書店からの注文等に対応していく為に本を汚さないのと書店に置いてあるときに本のイメージを読者に伝えるのには必要なアイテムです。カバーの印刷は部数によってとクオリティによってオフセット印刷とオンデマンド印刷の2種類あります。書店で並んでいる本は基本的にある程度部数を刷る為オフセット印刷です。A5サイズのカバーで1.000部刷ると60.000円程実費でかかります。さらにデザインや完全データ作成に費用がかかります。1.000部も印刷しない場合それも100部程度であればオンデマンドという方法もあります。オンデマンドの場合オフセットの様にテカテカの紙に印刷は無理でマット系の紙になりどうしてもクオリティと耐久性に見劣りしてしまいますが50部でも100部でもリーズナブルに印刷可能なのでたび市場に相談してみて下さい。目安としてA3ノビで一部100円程度印刷可能です。ただし完全データでの場合です。

●部数はどのくらい刷るか?

一般的にご自分で保管分と知人や関係の方に配る程度であれば100部とかでしょうか?書店等で販売する事を考えても本の出版にリスクを追う出版社の判断によりますが以前は大手の出版社で有名な著者は別として初版は3.000部程度でしたが最近は大手でも1500部とか1.000とかの本も結構ある様です。たび市場では500部の初版が中心なので書店で販売をお考えの方はたび市場に相談してみて下さい。

●本屋さんで自分の本を並べる事は出来るのか!

自分の本が全国の本屋さんに並べてある!そんな夢の様な事は本当に可能なのでしょうか?今の出版の流通は本の点数が依然の5倍とも10倍とも言われています。従って、本屋さんに本が到着しても本屋さんの棚に陳列されずにそのまま流通へ戻される本もかなり多いのが実状です。この本が売れそうかどうかは本屋さんの仕入れ担当の感と著者の知名度、出版社の知名度が大きく左右されます。知名度もない著者が知名度のない出版社で出した本はほとんどが売れないと判断されるのが普通です。まして大型の書店ならば多少売れない様な本でも一冊くらいは置いてくれるかも知れませんが小さな書店は元々本の在庫キャパシィが少ないのでどうしても硬い選択となり有名所を中心に品揃えをしてしまうのはしかたないかもしれません。仮に書店の仕入れ担当者のお目にかなって本を返品せずに棚に置かれたとしてもせいぜい1週間が限度で1週間で一冊も動かない本はまず返品されます。

●だいたい200ページ100部でいくらか?

本文はクリームキンマリという書籍用紙の67.5Kを使用してA4両面墨1色として単価R50台(A5で200P)×100部=80.000円 表紙は上質135キロ墨片面1色で単価20円×100=2.000円 丁合ソート5.000×2=1.0000円 無線綴じ単価130円×100=13.000円 断裁12.000円でカバーを付けずにだいたい117.000円 プラス表紙のデータ制作などで13万円から14万円という所がだいたいの目安です。